ドラマ『にこたま』完成披露イベント。なぜか瀬戸康史の謝罪会見に！？

渡辺ペコの人気コミックスを実写ドラマ化したFODオリジナルドラマ『にこたま』の完成披露イベントが、12月26日（金）都内で開催され、出演者の橋本愛・瀬戸康史・比嘉愛未が登壇。作品の魅力について語った。

東京・谷中にある弁当屋「よねすけ」で働く浅尾温子（橋本愛）。特許などに関する手続きを行う弁理士の岩城晃平（瀬戸康史）。２人は大学時代に出会って12年、長年同棲中で今の関係に満足した毎日を送っていた。そんな中、晃平は同僚で弁理士の高野ゆう子（比嘉愛未）とたった一度、関係を持ってしまう。人生の岐路に立つ3人。たどり着いた「家族のかたち」とは…!？2009年に連載がスタートした渡辺ペコ原作のコミックを恋人、結婚、家族の“当たり前”を根底から揺さぶり、“正解のない愛”に徹底的に向き合う、挑戦的なラブストーリーとして、橋本愛、瀬戸康史のW主演で実写ドラマ化した。

本作の紹介VTR上映後、主演を務めた橋本は本作の見どころについて「あっちゃんは10年以上一緒にいるパートナーに裏切られ、さらに子供も作られて、そこから彼女がどんな選択をし、二人の関係をどう築き直すのか。あるいは比嘉さん演じる高野さんが一人で、あるいは晃平と共に歩んでいくのか。リアルで年齢的にも切実で、痛いくらいの現実が描かれています」と語る。

浮気をしてしまった晃平という難しい役を演じた瀬戸は冒頭「申し訳ございません」と謝罪会見のように話を切り出し、「皆さん、すごい目で僕を見ないでください（笑）。僕は瀬戸康史です！」と会場を和ませつつ、役への思いを吐露。「逃げ出したい瞬間もあったかもしれないけれど、彼なりに向き合おうとする姿勢は評価してあげたい」と、不器用ながらも必死な男性像を人間味たっぷりに演じている。

晃平の浮気相手・高野ゆう子を演じた比嘉は、彼女の魅力について「高野は自分の選択に責任を持ち、相手にそれを押し付けない。すべてを背負って生きていく覚悟を持った強い女性だと思いました。これからの時代その強さは大事になってくるんじゃないかなって、私自身も演じながら彼女から学ぶことがたくさんありました。渡辺ペコ先生の持ってる世界観の素晴らしさも改めて感じることができました」と振り返った。

イベントでは、原作者・渡辺ペコ先生からのコメントも紹介。橋本は「原作が描かれたのは10年以上前。当時は多様性が今ほど表に出ていなかった時代。その中で、恋愛や家族の“当たり前”を問い直していた渡辺先生の先見性は本当にすごい」とリスペクトし、「今だからこそ、この作品を届ける意味がある」と自身の思いを明かした。

瀬戸は、本作が持つ入り込みやすさにも言及。「テーマは重いけれど、渡辺ペコ先生の軽やかなタッチのおかげで、すっと心に入ってくる」と説明。ドラマではCGを用いた演出も登場し、瀬戸がグリーンバックで一人で演じ切ったシーンの裏話に、会場からは笑いが起こった。比嘉も「撮影中はとてもシュールだったけれど、完成版を見て素敵に仕上がっている」とベタ褒め。橋本は「漫画でもこういう表現があってどう映像化するんだろうと楽しみにしてたので、面白かったです」と微笑んだ。

本作の主題歌は、くるりの「oh my baby」。橋本は「寄り添いつつ、くるりさんの世界観で包んでくれた」と語り、瀬戸は「本編の映像を見ながら申し訳ないって見てたんです。なので、この曲がかかった時に救われたというか、ちょっと逃げ場ができたような、ほっとした気持ちになりましたね」と作品との親和性の高さを語った。

イベントの最後には、キャスト陣から視聴者へのメッセージが送られ「悪い人が出てくる物語ではなく、不器用に一生懸命生きている人たちの話で、少しでも生きるヒントや勇気になれば嬉しい」（比嘉）、「皆さん大切だと思った人は、大切にしましょう（笑）」（瀬戸）、そして橋本は、「登場人物たちの選択が、必ずしも正解や幸せとは限らない。でも、覚悟を持って選んだ道。これからの行方を見守っていただきたいです」と締めくくった。ドラマ『にこたま』は、FODおよびPrime Videoにて本日20時より配信中。