ndjc:若手映画作家育成プロジェクト2025にて完成した短編映画4作品の東京 合評上映会・舞台挨拶が3月24日(火)東劇にて開催され、八代夏歌監督作の『うねうねとまっすぐ』より出演者の大和奈央、小方蒼介、監督の八代夏歌が登壇した。

ndjc:若手映画作家育成プロジェクトとは、映像産業振興機構(VIPO)が優れた若手映画作家を公募し、本格的な映像製作技術と作家性を磨くために必要な知識や技術を継承するためのワークショップや製作実地研修を実施。作品発表の場を提供することで、次代を担う長編映画監督の発掘と育成を行っている。
イベントは、キャストと監督の登壇でスタート。八代監督は「本日はお越しいただきありがとうございます。これまで見ていたものとは違い、細部までこだわった演出がしっかり伝わって自分でも面白かったなと思います」と挨拶し、手応えを語る。大和は2度目の鑑賞だったといい、「1回目は緊張して冷静に観られなかったけれど、今回は客観的に観ることができて、素敵な作品だと改めて感じた」とコメント。小方も「まだスクリーンに映る自分に慣れないけれど、それでも毎回感動する」と率直な思いを語った。

本作の着想について八代監督は、「日常で見つけた断片的な面白さをつなぎ合わせていく中で生まれた」と明かす。特に描きたかったのは「恋愛ではないが、互いに惹かれ合う関係性。2人だけに通じるものや、言葉にしきれない感情のつながりを表現したかった」と語り、本作の核となるテーマを説明した。主人公のキャラクター設定が具体的に固まったのは、タイへ行く飛行機の中だったと語り「私自身のうねった髪を周りの人に見られて、ああ、こういう子が主演の映画があったら面白いかな、と思ったんです」と笑いながら振り返る。女の子の主人公が「うねうね」なら、男の子は対になる「まっすぐ」にしようという発想で、「心の中でうねうねと揺れる感情を抱えた人物が、出会いを通して最後には『まっすぐ歩ける』ようになっていく」という意味が込められているという。

役作りについて大和は、「主人公・まるは悩みを抱えながらも表には出さず、普通に振る舞う。でも内側の葛藤は大きい。最後に吉田素直(小方蒼介)と言葉で分かち合うわけではないけれど、そこで惹かれ合っていく様子を描きたい、というお話を監督からいただいて、そこを意識して演じました」と振り返る。小方は監督から受けた演出指示について「男女の恋愛を超越した友情のようなものを表現してほしいと言われました。僕は男女の友情は成立しない派なんですが(笑)、脚本を読んでみると2人は確かに心が通じ合っているんだな、ということが演じながら分かっていきました」と語った。

大和は撮影現場で監督のアイデアを吸収しながら演じる場面が多かったと振り返り「監督は本当にアイデアが豊富な方。私と1歳差とは思えないほど指示が的確で、次々とアイデアが出てくる。こちらも頑張らないと」と感じたという。小方も「僕より5歳くらい年下なのに、現場での大人っぽさがある。でもそれ以外の場で会うと普通の年相応な感じで、そのギャップがすごく素敵だと思っています」と笑顔で語った。舞台挨拶の最後に今後の展望について問われた八代監督は「次の作品も17〜19歳くらいの年代を描きたいと思っています。不安定さと繊細さを持ち合わせた年代の2面性を映像で表現していきたいです。今回、美術さんに用意していただいた小道具で演出する楽しさも知ったので、次は雪を使った演出にも挑戦してみたいです」と締めくくった。
『うねうねとまっすぐ』
監督・脚本:八代夏歌
出演:大和奈央、小方蒼介
制作プロダクション:ポトフ
