文化庁委託事業「ndjc:若手映画作家育成プロジェクト 2022」の合評上映会が2月7日(火)丸の内TOEIで開催され、藤本楓監督作『サボテンと海底』舞台挨拶に出演者の宮田佳典、大友一生、小野莉奈、若林時英、藤本楓監督が登壇した。
![「ndjc:若手映画作家育成プロジェクト 2022」藤本楓監督作『サボテンと海底』](https://universal-press.jp/wp-content/uploads/2023/02/828b8e70a891e3a575d1eee408f06622.jpg)
ndjc・若手映画作家育成プロジェクトは、次代を担う若手映画作家の発掘と育成を目的に、特定非営利活動法人映像産業振興機構(VIPO)が文化庁から委託を受けて2006年度より運営する人材育成事業。優れた若手映画作家を公募し、本格的な映像制作技術と作家性を磨くために必要な知識や技術を継承するためのワークショップや製作実地研修を実施し、作品発表の場も提供する。
![藤本楓監督](https://universal-press.jp/wp-content/uploads/2023/02/5fb505e2ef811589900d768ed3fbefee.jpg)
『サボテンと海底』で5分以上の映像監督を初めて務めたという藤本監督は「普段は美術スタッフとか制作部とかをして映像の現場に関わることが多いのですが、自分の参加した現場で宮田さんをお見かけして、ご本人に無許可で当て書きをしてndjcの脚本に応募しました。他の出演者の方も顔が思い浮かんでいる状態で当て書きをして、後からオファーしたら見事に出演していただけることになりまして...」と秘話を語る。
オーディションシーンの演出には「思い付きで一行だけ書いた脚本とかだったりしたのですが、役者の方に膨らましてもらって、あのシーンだけ手振れが酷かったと思うんですけど私が撮影しました」と振り返り、音の演出については「私のこだわりでパーカッションみたいな打楽器音を入れたくて音楽の馬瀬さんにお願いして作ってもらいました。『たま』の石川さんが出演してくれることになったので、お願いしてラーメン屋の親父が鍋を叩くシーンになりました。音楽は私の中でこの作品の方向性を決める大きな要素でした」と吐露。
![小野莉奈](https://universal-press.jp/wp-content/uploads/2023/02/e983b81829f8de088067c9748f458ae5.jpg)
小野莉奈は藤本監督のエンディングの演出について「今まで体験したことのない演出手法で、役者だけじゃなく全員で作品として作り上げているっていう感覚が楽しかったです」と語ると、藤本監督は「ラストシーンはすごく悩んで悩んで結局ndjcに応募した時の脚本に近いものになりました」と苦労した様子。
最後に藤本監督は「失敗や恥ずかしいことを多く経験し、ジタバタしてきたので、時間が経てば笑い話になるみたいなことテーマにこれからも自分のネガティブな経験とかを作品にして、それを見た人が救われたり、ちょっと笑ってくれる作品を撮っていきたい」と今後の作品作りに意欲を見せた。
![宮田佳典](https://universal-press.jp/wp-content/uploads/2023/02/1L8A9672_1.jpg)
![大友一生](https://universal-press.jp/wp-content/uploads/2023/02/1L8A9687_1.jpg)
![若林時英](https://universal-press.jp/wp-content/uploads/2023/02/1L8A9713_1.jpg)
文化庁委託事業「ndjc:若手映画作家育成プロジェクト 2022」合評上映会で披露されたのは岡本昌也監督作『うつぶせのまま踊りたい』、成瀬都香監督作『ラ・マヒ』、藤本楓監督作『サボテンと海底』、牧大我監督作『デブリーズ』の短編映画4作品。一般観客向けには、2月17日(金)より角川シネマ有楽町にて1週間限定公開され、その後名古屋・大阪でも上映される。
『サボテンと海底』
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ストーリー
今年35歳を迎える俳優、柳田佳典は映画やCMの撮影前に俳優やタレントの代わりに準備作業を請け負うスタンドインの仕事を生業としている。映画に出たい気持ちを抱えつつも、チャンスに恵まれない日々。そんなある時、柳田の元に映画の主演オーディションの話が舞い込む。
出演:宮田佳典、佐野岳、大友一生、若林時英、小野莉奈、前原瑞樹、佐藤結良、渡邊雛子、石川浩司、ふせえり
監督・脚本:藤本楓
製作:特定非営利活動法人映像産業振興機構(VIPO)
作家推薦:東京藝術大学大学院映像研究科映画専攻
制作プロダクション:TOHOスタジオ
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