小松菜奈、宮沢氷魚、佐藤緋美が映画『ムーンライト・シャドウ』東京国際映画祭舞台挨拶に登場!

小松菜奈が主演を務める、吉本ばなな原作の同名ベストセラー小説を映画化した『ムーンライト・シャドウ』。第34回東京国際映画祭Nippon Cinema Now部門の同作に出演の小松菜奈、宮沢氷魚、佐藤緋美が11月1日(月)TOHOシネマズ シャンテで行われた舞台挨拶Q&Aに出席した。

映画『ムーンライト・シャドウ』 /©2021 TIFF

1989年に刊行され当時、社会現象ともいえる大ヒットを博し、これまで世界30か国以上で翻訳された、吉本ばなな著「キッチン」。その「キッチン」に収録されている短編小説「ムーンライト・シャドウ」は、1987年に吉本ばななが大学の卒業制作として発表、吉本自身も「初めて他人に見せることを前提に書いた思い出深い小説」と語るなど、ファンの中では初期の名作との呼び声も高い作品。そんな吉本ばななの原点とも言える名作ラブストーリーが33年の時を経て遂に映画化。主人公・さつきを演じるのは、小松菜奈。彼女にとって、初の長編映画単独主演。さつきの恋人・等役には、役者として目覚ましい活躍をみせる宮沢氷魚。恋人の突然の死に向き合うことができず、深い哀しみに打ちひしがれるさつきは、以前耳にした“月影現象”に次第に導かれ…。

小松菜奈/©2021 TIFF
宮沢氷魚/ ©2021 TIFF
佐藤緋美 /©2021 TIFF

映画上映後の観客とのQ&Aには主人公・さつき役を務めた小松菜奈、さつきの恋人・等役の宮沢氷魚、そして、等の弟・柊役の佐藤緋美が登壇。東京国際映画祭への参加は初めてとなる3名。満席となった観客に小松は「今日は初めての東京国際映画祭に『ムーンライト・シャドウ』で参加させていただき、とても光栄ですし、久々にこのメンバーと出会えて嬉しいです。来日しているエドモンド監督とは一緒にこの舞台には立てなかったですけど、きっとどこかで見守ってくれていることと思います。」と挨拶。宮沢は「この度は、このような素敵な映画祭にこのメンバーで参加できてとても嬉しく思っております」、佐藤は「僕も初めての東京国際映画祭です。小松さんと宮沢さんに会えて嬉しいですし、皆さまからの質問にも色々答えていきたいと思います。」とそれぞれ挨拶。

映画『ムーンライト・シャドウ』 /©2021 TIFF
映画『ムーンライト・シャドウ』 /©2021 TIFF

本作は、吉本ばななの同名小説を映画化した作品。監督のエドモンド・ヨウにとって、念願の映画化となった作品で、当初から「主演は絶対、小松菜奈にやってほしい」という強い想いがあった。司会を務めた東京国際映画祭ディレクターの市山尚三から、小松に「最初にこの作品のオファーがあったときにどのように思われたのか」との質問に、小松は「監督もキャストも異色のメンバーだったので、どんな”世界”に連れて行ってもらえるのだろうと、すごくワクワクしました。また、吉本ばななさんの作品は、日本だけでなく、海外でも長く愛され続けている作品でもあるので、そんな作品に参加させていただけるということに、とても感謝しております。私もその世界に飛び込んでみたいと思いました。」と作品に参加できたことに感謝した。


さらに、国内外の映画を数多く観ている市山からしても、「相当難しい役柄」と言わしめる小松演じるさつきというキャラクターの役作りについて聞かれ「撮影が始まったのは、等(ひとし)が亡くなったシーンからだったので、楽しいシーンからではありませんでした。最初は、さつきが体感していた美しいだけでない現実を想像しながら、自分で丁寧に作り上げていくしかなかったですけど、他のキャストの方々と目を合わせながらお芝居していく中で、さつきの繊細な感情を見つけていきました。」と共演者に感謝を述べながら、撮影時のことを回想した。

宮沢氷魚/ ©2021 TIFF
佐藤緋美 /©2021 TIFF

続いて、本作の最も重要な場面であり、満月の夜の終わりにもう一度死者と会えるという不思議な“月影現象”によって、等が再び現世に戻るというシーンについて聞かれた宮沢は、「あのシーンは、エドモンド監督とも何度も話し合いをしながら、撮影しました。等は、もはやこの世界には存在しない人物ではありますが、さつきに会えた喜びや安堵の気持ちを大事に持ち合わせながら演じました。」と振り返る。


市山が映画を見て驚愕したという、セーラー服を着る柊という役を演じた佐藤について話が及ぶと「セーラー服はオーディションの時に着ましたが、着ることに自体にはまったく抵抗はありませんでした。少し変わっている役を演じることはわかっていましたしね。でも、撮影中は少し寒かったですね。撮影は12月でとても寒い時期でしたが、氷魚君がキンキンに冷えた川に入るシーンとかは、見ていて僕もつらかったですね」と当時を振り返ると、宮沢は「あれは寒かったです。しかも、あのシーンは本編では使われていないんですよね」と笑顔をのぞかせながら答えると、会場は笑い声で包まれた。

小松菜奈、佐藤緋美 /©2021 TIFF

最後に、作中で描かれる「月影現象」に実際に遭遇した場合、誰に会いたいかを観客に聞かれ小松は「実家で飼っていた猫に会いたい」と回答。家庭の事情で猫の世話をできる人がいなくなったこともあり、「誰かに(猫を)見てもらわなきゃいけない、誰にお願いしようか、と悩んでいた次の日に、猫ちゃんがいなくなってしまい、そこからもう帰ってきませんでした。もう、何年も経ってしまったんですけど…最後にきちんと『大好きだよ』って言葉で伝えたかったです。急にいなくなってしまうと、ちゃんと伝えられなかったなとか、いろいろ悔いが残ってしまって…。なので、もし、そういう現象があったら飼っていた猫に会いたいです」と愛猫との再会を望んでいた。


続いて、宮沢は亡くなった祖父と返答。「頭がとても良くて戦争も経験していて。本当に色々つらい経験をして、その結果、お医者さんになったんですけども、医者になって激動の時代を生きた人だったので。その時の生き方とか、どういう人生を歩んだのか、ということを聞いてみたいです」と話した。


最後に、佐藤は「僕は父方の曽祖父ですね。オランダとノルウェーのミックスのアメリカ人で、まだ戦争中だった時に料理人として日本に来たんですが、会ったことないので、会ってみたいですね。」と返答。イベントは終始、和やかなムードで行われ、3人にとっての初めての国際映画祭のイベントは幕を閉じた。映画『ムーンライト・シャドウ』は全国公開中。第34回東京国際映画祭は2021年10月30日(土)~11月8日(月)日比谷・有楽町・銀座地区にて開催。

小松菜奈/©2021 TIFF
小松菜奈/©2021 TIFF


映画『ムーンライト・シャドウ』60秒予告映像


映画『ムーンライト・シャドウ』

原作:「ムーンライト・シャドウ」吉本ばなな(新潮社刊「キッチン」収録作品)

出演:小松菜奈、宮沢氷魚、佐藤緋美、中原ナナ、吉倉あおい、中野誠也、臼田あさ美

監督:エドモンド・ヨウ

脚本:高橋知由

配給:エレファントハウス

宣伝:SDP

©2021 映画「ムーンライト・シャドウ」製作委員会


映画『ムーンライト・シャドウ』全国公開中


第34回東京国際映画祭は2021年10月30日(土)~11月8日(月)の期間に日比谷・有楽町・銀座地区にて開催。

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