岡山で農業に携わりながら映画制作を続ける山﨑樹一郎監督の最新作映画『やまぶき』の公開初日舞台挨拶が11月5日(土)渋谷ユーロスペースで開催され、出演者のカン・ユンス、祷キララ、川瀬陽太、和田光沙、黒住尚生、監督の山﨑樹一郎が登壇。
かつて韓国の乗馬競技のホープだったチャンス(カン・ユンス)は、父親の会社の倒産で多額の負債を背負った。岡山県真庭市に流れ着き、今はベトナム人労働者たちとともに採石場で働いている。一方で、刑事の父と二人暮らしの女子高生・山吹(祷キララ)は、交差点でひとりサイレントスタンディングを始める。二人とその周囲の人々の運命は、本人たちの知らぬ間に静かに交錯し始めるー
2019年の撮影から公開初日を迎え山吹役の祷キララは「こうやってたくさんの方に観てもらって嬉しいです。映画は観てもらって初めて完成すると思っているので」と挨拶。岡山県真庭市に泊まり込みでの撮影に「泊まっていたところが山の中にあって、自然が豊かでした。散歩しているとカメムシがめっちゃ多かったです」と印象に残ったエピソードを語る。続けて「私は苦手だったんですけど、和田光沙さんとか虫に強い人は立場が強かったです」と笑いを誘う場面も。2ヶ月前の試写で初めて完成品を観て「公開までの4年間で自分の環境は大きく変わったのですが、作品は昔に感じなく、演じた山吹に励まされました。山吹の迷いや葛藤に、普段の自分の迷いや葛藤も『別にいいや!』って感じて、励まされる気持ちになった」と振り返る。
カンヌ映画祭のACID部門(インディペンデント映画)でフランスに行ったカン・ユンスは「純粋に観客になったつもりで『やまぶき』が観れることを喜んだのですが、着いたら映画祭の規模が圧倒的すぎてビックリしました。こんなところで私たちが山奥で撮影した作品が上映されるんだっ!」と感じたそう。黒住は「テレビのニュースで流れてくるレッドカーペットのイメージでカンヌに行ったのですが、映画って一括りでなく、芸術面と商業っていうのが入り乱れた映画祭だと感じました」と実際に体感した感想を語った。映画『やまぶき』は11月5日(土)より渋谷ユーロスペース、11月12日(土)より大阪シネ・ヌーヴォ、京都みなみ会館、元町映画館、ほか全国順次公開。
『やまぶき』予告編
映画『やまぶき』
監督・脚本:山﨑樹一郎
出演:カン・ユンス、祷キララ、川瀬陽太、和田光沙、三浦誠己、青木崇高
黒住尚生、桜まゆみ、謝村梨帆、西山真来、千田知美、大倉英莉、松浦祐也
音楽:オリヴィエ・ドゥパリ
アニメーション:セバスチャン・ローデンバック
編集協力:ヤン・ドゥデ、秋元みのり
製作:真庭フィルムユニオン、Survivance
配給:boid/VOICE OF GHOST
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映画『やまぶき』11月5日(土)より渋谷ユーロスペースほか全国順次公開!