山﨑果倫主演の映画『夢の中』公開記念舞台挨拶レポート

映画製作プロジェクト「感動シネマアワード」（主催：レプロエンタテインメント）でグランプリを受賞した映画『夢の中』の公開記念舞台挨拶が5月11日(土)アップリンク吉祥寺で開催され、出演者の山﨑果倫、櫻井圭佑、山谷花純、監督の都楳勝が登壇した。

長編初主演を務めた山﨑は「企画からコロナ禍での撮影延期を経て、4年越しとなる劇場公開を迎えました」と満員の観客に向かって笑顔を見せる。監督の都楳は「人との距離感が変わってきている今だからこそ、より見てほしい作品になりました」と、現実と夢が溶け合う異色の青春幻想譚に込めた想いを振り返った。櫻井は「回想、現実、幻想が交ざり合う脚本を初めて読んだときに驚いた」と当時を語り、山谷は「時間軸や解釈が観るたびに変わる。ちょうど最近見たクリストファー・ノーラン監督作品のような世界観を、都楳監督は持っています」と魅力を解説した。

山﨑は何かを諦めて無気力に生きるタエコ役について「都楳監督はときに逃げることも肯定してくれるし、人と人のつながりの真実も教えてくれる」と演技を通して自身も勇気づけられたと振り返る。カメラマン役を演じた櫻井は自身もカメラマンとして活動し、ロケ時に撮影した写真が本編で使用されていて「身近に感じることも多くあり、眠れない夜や何かに追われる感覚の中で必死に生きようともがく気持ちが画面に映っている」と語り、山谷は特殊な構造の物語の鍵を握るアヤ役を演じて「当時ぶつかっていた壁があって、彼女の姿を借りてひとつ開放させてもらえた現場でした」と振り返った。

都楳監督は自身の創作の芯について「たとえ理解できないことがあったとしても、それを受け入れようとすることが大切であり、その積み重ねが自分の中の新しい見え方を生む。その先に、争いのない人と人のつながりが芽生えて、優しい世界が生まれるのではないか。そうした作品を今後もつくっていきたいと思います」と観客席に向けて語った。映画『夢の中』は5月10日（金）よりアップリンク吉祥寺ほか全国順次公開。