第38回東京国際映画祭ガラ・セレクション部門作品、映画『恋愛裁判』の舞台挨拶が10月28日(火)TOHOシネマズ日比谷で開催され、出演者の齊藤京子(元日向坂46)、仲村悠菜(私立恵比寿中学)、小川未祐、今村美月(元STU48)、桜ひなの(いぎなり東北産)、監督を務めた深田晃司が登壇した。

人気アイドルグループ「ハッピー☆ファンファーレ」のセンターを務める女性が「恋愛禁止ルール」を破ったことで裁判にかけられる物語を深田晃司監督が描いたオリジナル作品。恋愛禁止ルールを破ったとして裁判にかけられる女性アイドルの姿を通して、日本で独自に発展したアイドル文化と、その中で暗黙の了解とされてきた「アイドルの恋愛禁止」問題について切り込んだ問題作。深田監督が「元アイドルの女性に賠償命令」という新聞記事に着想を得て、構想から10年をかけて完成させた。
深田監督は「2015年実際に女性アイドルの方が恋愛したことから事務所に裁判を起こされるという事案が2件ぐらいあり、記事を読んでビックリしました。そのときのアイドルや事務所側の気持ちはどうだったんだろうという考えを膨らませて、10年かけて作品にしました」と回想。また「基本的にアイドルにとって恋愛は御法度なんだろうなということは自分も当たり前のように感じていましたが、それが裁判という形になったというのが興味深くて。アイドル業界のローカルな話だけでなく、もっと普遍的なことを描けるのではと思いました」と制作に至った理由について語る。

齊藤京子は「この映画を何回も観て、ひとりの人生を考えさせられるようなドキュメンタリー映画を観ている感覚になりました」と振り返り、脚本を読んで「シンプルに物語がすごく面白くて、この映画に出たい」と感じたそう。自身がアイドルとして活動してきた経験から、山岡真衣がアイドルやグループに対して持つ思いに強く共感し、「絶対にこの映画、そしてこの山岡真衣を演じたい」と強く感じたという。

仲村悠菜はこの作品の台本を見て「なるほど」と現役アイドルとしてこの役を演じることに「少しだけ抵抗感を感じている時もあった」と正直な思いを明かし、「でもその葛藤を含めて良いお芝居ができたんじゃないかなと思うので、すごくいい機会になった」と振り返った。

小川未祐は深田監督の『よこがお』(2019年)以来の深田組参加に喜びつつも、自身だけアイドル経験が無く「アイドルグループを演じることを、アイドル経験者のメンバーから学び、役者として何ができるかという役割を意識しながら挑んだ」と語った。

アイドルグループのリーダー三浦美波を演じた今村美月は「この作品を初めて見た時に、すごく切り込みすぎていて、何かがえぐれてくるんじゃないかっていうぐらいリアリティで、すごく衝撃的な作品だと思いました」と振り返り、自身はSTU48を卒業し上京してきて、初めて受けたオーディションがこの作品だったので、「今までのアイドル経験が違う形で活かせた」と微笑んだ。

桜ひなのは「私は映画に出させていただくのが初めてで、このような舞台挨拶も初めてなので、緊張しています」と初々しく挨拶し、自身は現在もアイドル活動を10年間続けていて「この10年間のアイドル活動を作品に生かせればいいなと思い、アイドルとしての演技を私なりに演じさせていただきました」とコメントした。





舞台挨拶の最後に、観客へのメッセージを求められた主演の齊藤京子は、この映画が「日本の暗黙の了解としてあるアイドルの恋愛禁止ということを題材としている」作品であると改めて紹介し、自身がアイドルを卒業した後に再びこの作品で「ハッピー☆ファンファーレ」を結成できたことが本当に嬉しかった。この劇中のグループに対し愛情があり「クランクアップの時に号泣してしまうぐらいで、なんならどこかで結成できたらいいなって」感じたのだという。そして、この熱い思いが「映画の中にも反映されている」と強調し、「みんなの仲の良さを微笑ましく見ていただけたら」と観客にメッセージを送り、舞台挨拶を締めくくった。映画『恋愛裁判』は2026年1月23日(金)より全国東宝系にて公開される。
映画『恋愛裁判』

出演:齊藤京子、倉悠貴、仲村悠菜、小川未祐、今村美月、桜ひなの、唐田えりか、津田健次郎
監督/脚本:深田晃司
共同脚本:三谷伸太朗
音楽:agehasprings
配給:東宝
©2025「恋愛裁判」製作委員会
2026年1月23日(金)より全国東宝系にて公開!
第38回東京国際映画祭
今年で第38回を迎える東京国際映画祭。「東京から映画の可能性を発信し、多様な世界との交流に貢献する。」をミッション(理念)に掲げ、映画祭を盛り上げていく。開催期間は2025年10月27日(月)~11月5日(水)の10日間。



