映画『ビリーバーズ』東京国際映画祭Q&A。北村優衣「女優として腹を括り、一発かましてやろうと」

第36回東京国際映画祭Nippon Cinema Now部門「監督特集 映画の職人 城定秀夫という稀有な才能」が10月29日(日)角川シネマ有楽町で開催され、映画『ビリーバーズ』に出演の北村優衣、城定秀夫監督が上映後の質疑応答に登壇した。

映画『ビリーバーズ』東京国際映画祭
映画『ビリーバーズ』東京国際映画祭

本作は1999年に「ビッグコミックスピリッツ」で連載された山本直樹の漫画を2022年に実写映画化。『ニコニコ人生センター』という宗教団体の通信係『オペレーター』と呼ばれる青年(磯村勇斗)、『議長』の中年男性(宇野祥平)、『副議長』の若い女性(北村優衣)の3人で、無人島で暮らす『孤島のプログラム』という共同生活を行っていた。俗世の汚れを浄化し安住の地へ出発するため修行を行っていたが、そんな日々僅かなほころびから3人の関係性が乱れ、互いに本能と欲望を暴き出していく…

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劇場には『ビリーバーズ』を複数回視聴したという熱心なファンが集結。今回の映画祭で4本の作品が公開される城定監督は「城定秀夫という稀有な才能」と副題されていることに「めっちゃ恥ずかしい」と口にする。出演者の北村は「監督は臨機応変さが凄くて、撮影中に雨が降ることが多かったのですが、『じゃあ中で撮ろう』ということになって」と当時の状況を振り返る。ビリーバーズは2週間くらいで撮影され「行った途端から台風で宿から出れず、所帯が大きくなかったので臨機応変に対応出来た」と城定監督は語り「順撮りでなくてもいいし、宇野祥平さんが処理されてから段々と天気が良くなってきてね(笑)」と裏話も飛び出した。

城定秀夫監督
城定秀夫監督

この映画を撮る中で決めた決断などのエピソードはありますか?

城定秀夫監督:あれやってはいけない、これやってはいけないっていうのが、年をとり経験を重ねてくるとなくなってきて、若い頃は映画はこうだとかあったんですが、今はここのシーンは晴れてなきゃいけないとか、そういうことがだんだん無くなってきて。あまりガチガチに決めていくタイプではなくて、強いて言えば何があっても最後まで撮りきるってことだけですね。あと、性的に過激なシーンとかはキャストさんたちと話しあって手を抜かずに思い切ってやろうと。


北村優衣:この作品に出るっていうことで、女優として腹を括ったところはありますね。自分の転機となる時期でもあったので、ここで一発かましてやろうっていう気持ちでオーディションを受けました。オーディションの2時間前ぐらいに着いて、準備したこととかやりたかったことが全部やりきれたので、これでダメだったら、自分じゃなかったんだなって思うぐらいの気持ちでした。

北村優衣
北村優衣

監督はどうして北村さんに決めたんですか?

城定秀夫監督:内容が内容でセンシティブな部分が多いので、台本を読んでもらって、それでもこれ思いっきりやってくれる人で。北村さんともう1人いたのですが、その方は少し影のある方で、なんか宗教とかにハマりそうな雰囲気があり、いんじゃないか?っていう話でした。逆に北村さんはすごくハツラツとしていて、そういうのに縁がなさそうなだなって。色々考えて、そういう健康的な人がこういうとこに来ちゃうのが面白いんじゃないかって。もちろん、演技とか加味させてもらって決めさせていただきました。



監督は原作モノも色々手掛けていると思うのですが、その原作を受け取るアンテナと、脚本に落とし込むときの取捨選択のポイントとかを教えてください。

城定秀夫監督:普段自分から企画を出すってことがほぼ無いんです。オファーされてそこから動かすみたいな。原作もこれやりたいんだけどって言われて、これ読んだことありますよっていう場合もあるし、ちょっと読んでみますみたいなときもある。ビリーバーズは僕が唯一自分から企画を持っていった作品で、助監督の頃に原作を読んでいて、ずっと面白いなと思っていました。企画会議でパッと思い浮かんでやりたいですと。山本直樹さんは映画的な漫画を描く人で脚本も時間がかからず、すぐ作った記憶があります。内容が内容なんでキャストがなかなか決まらなくて、そこから2、3年かかったっていうのが、この映画の経緯です。今作は割と原作通りやったところが多いですね。

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原作者の山本直樹さんが先生役で出演したことについて

城定秀夫監督:あの役に誰を持ってくるかって僕が山本先生がいいんじゃないかっていう話をして、この物語を作った想像主でもあるし。でもなかなかこう忙しい相手でスケジュールが合わないみたいなところがあって。現場がスタートして出てくれるかどうかなかなか決定しなかったんですけど、来てくれることになったみたいな。


北村優衣:山本さん以外に先生を務められる人がいないんじゃないかってぐらい、先生って山本さんだよなって痛感しました。ノリノリでやってくれて。



この映画を観た山本先生の感想は?

城定秀夫監督:試写を観にきてくれて終わった途端にすごいニコニコしながら昔の映画みたいで面白かったと無邪気に言ってくれました。古き良きエンタメ要素が出ていて良かったみたいなことを言われてて、上映がスタートしても観に来てくれたりして気に入ってくれているみたいですね。



信じている映画の魅力とは?

北村優衣:自分が役者をするうえで自分の才能を信じないとやっていけないよなという想いはあります。自分の大好きな映画に関わらせてもらうために日々の出会いとか、経験とかを大事にして、努力を信じるっていうことはしています。



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映画『ビリーバーズ』

出演:磯村勇斗、北村優衣、宇野祥平、毎熊克哉、山本直樹 ほか

原作:山本直樹『ビリーバーズ』(小学館「ビッグスピリッツコミックス」刊)

監督・脚本:城定秀夫

音楽:曽我部恵一

主題歌:曽我部恵一「ぼくらの歌」(ROSE RECORDS)

製作:藤本款 久保和明 直井卓俊

編集:城定秀夫

制作:レオーネ

製作:『ビリーバーズ』製作委員会

配給:クロックワークス、SPOTTED PRODUCTIONS

公開日:2022年7月8日

©山本直樹・小学館/「ビリーバーズ」製作委員会


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第36回東京国際映画祭は2023年10月23日(月)~11月1日(水)に開催。誰もが観たくなる映画や誰も観たことがない映画、メジャー作品からアート作品まで、東京でしか見られない映画の最前線。きっとあなたの見たいがみつかる10日間。

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