映画『ナミビアの砂漠』ジャパンプレミア／河合優実「山中瑶子監督とは相思相愛！」

第77回カンヌ国際映画祭国際映画批評家連盟賞で、女性監督として最年少受賞に輝いた山中瑶子が監督・脚本を務め、河合優実が主演を務める映画『ナミビアの砂漠』のジャパンプレミアイベントが8月22日（木）TOHOシネマズ日比谷で開催され、河合優実・金子大地・寛一郎・山中瑶子が舞台挨拶に登壇した。

世の中も、人生も全部つまらない。やり場のない感情を抱いたまま毎日を生きている、21歳のカナ（河合優実）。優しいけど退屈なホンダ（寛一郎）から自信家で刺激的なハヤシ（金子大地）に乗り換えて、新しい生活を始めてみたが、次第にカナは自分自身に追い詰められていく。もがき、ぶつかり、彼女は自分の居場所を見つけることができるのだろうか・・・？

河合は舞台挨拶で「皆さんにこの映画を観てもらうことがすごく楽しみで、待ち切れなかったです。この日を無事に迎えられて、皆さんに届けられることがすごくうれしいです」と晴れやかな表情を浮かべる。山中監督はカンヌ国際映画祭での受賞について「映画が好きで目指していたときに影響を受けたり、圧倒された作品ばかりが過去に受賞していて・・・全然ピンとはきてないです（笑）」と笑顔を見せる。

河合は18歳の頃に映画館で観た山中監督の『あみこ』に感銘を受け、一緒に仕事がしたいと山中監督に手紙を渡していたという。河合は「それから5年くらいは連絡先も知らず、山中監督と一度もお会いすることはなかったけれど、今回一緒に映画が作れる事になって。当時の自分に伝えたらビックリするだろうと思います」と振り返る。それに対して山中監督は「この5年間で河合さんを映画などで見ることが多くなって、あの約束はまだ効いているのかなと（笑）。脚本を書く前の段階から河合さんの存在には背中を押されていたので、“感無量”と初めて使いたい気持ちです」と明かし、河合も「良かったです、どちらかが忘れているとかでなく相思相愛で」と喜んだ。

自信家で刺激的なハヤシを演じた金子は自分がどの役を演じるかわからない段階で脚本を読んだという。そのときを振り返り「勝手にホンダを演じるんだと思って。きっと俺はホンダだろうなって。すごい人間味があって共感できたので」と語り、優しいけど退屈なホンダを演じた寛一郎は「ホンダは僕でもあるので・・・としみじみと語りだし、脚本には退屈な男とは書いてないけれど、退屈さみたいなものが出たゆえんは僕にあるんじゃないかと思います」とコメント。これに山中監督は「寛一郎さんを退屈な男と思ったことは全く無いけれど、寛一郎さんは素晴らしくてホンダという役に奥行きと立体感を与えてくれたと思います。恥をかくことをまったく恐れない感じが素晴らしかったです」と感謝した。

イベント終盤はフリップトークのコーナーに。自分自身にキャッチコピーをつけるならとのお題に金子は「陽気な小心者」と回答し「人前でふざけたりするのが好きなんですけど、大人数の前に立つとビビってしまう」と解説。これに寛一郎は「小心者だとは思わない」、河合も「まったくそうは思わない」と否定。金子は「それを言ってほしくて書いているみたいに思われないか？」と会場の笑いを誘った。

寛一郎は「天邪鬼でわがままな飽き性」と回答。過去に共演作もある金子は「寛ちゃんは、お兄ちゃんみたいに色々と考えていて、要所要所で見せるボケは好きです」と返答し、河合も「ワガママとは思わないし見たこともない」と返答した。

河合は「プロクラスティネーター」と聞き慣れない言葉を回答。これに寛一郎は「はい？プラズマクラスター？」と返し、河合は「聞きなれない言葉だと思いますけど最近家族に教えてもらった言葉で、先延ばし癖のある人の事を言う言葉なんです。横文字でキャッチコピーっぽいからこれにしました」とニッコリ答えた。これに寛一郎と金子は「カッコイイし俺もプロクラスティネーターだけどね」と返答すると、山中監督は「私が一番そうじゃないですか？だってずっと脚本を待たせていたから」と続けて返答。河合は「私は脚本書いたことないけれど絶対締め切り守れないと思います」と共感した。

舞台挨拶の最後に河合は「『ナミビアの砂漠』は思い入れのある作品で、スタッフ・キャスト全員が作品への愛が強くて楽しく自由に作りました。作品を多くの皆さんに見ていただける機会があり幸運なことだと思います。皆さん観るときは心をまっさらにして、それぞれの楽しみ方で楽しんでくれれば、ビックリしてもらえる映画になっています。最後まで上映を楽しんでください」と会場に集まった観客に呼びかけた。映画『ナミビアの砂漠』は9月6日(金)よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国ロードショー。