今月12月25日(金)に公開を控えた俳優の吉沢亮が主演の映画『AWAKE』。脳科学者の茂木健一郎と映画の監督を務めた山田篤宏による対談映像が本日公開された。
本作を見た脳科学者の茂木はFacebookの創成期を描き、オスカーを3部門で受賞した映画『ソーシャル・ネットワーク』(2010,原題:The Social Network)と感触が似ていたと語る。Facebookの創設者マーク・ザッカーバーグの半生を、鬼才デヴィッド・フィンチャーが描いた作品で、一見接点のなさそうなこの作品と本作が重なったという理由を、「人工知能に取り組んで、スタートアップ(起業)する若者たちの熱気」と、将棋のプロを養成する機関・奨励会のそれが似ているからだという。そして「奨励会って若き天才たちが集い、切磋琢磨する場で、そこでみんなどんどん新手を開発する。イノベーションの競争みたいになっている」と指摘し「そういう感触のある日本映画がなかなかなかったので、これはイイ!と思った」と絶賛。それを受けて山田監督は「実は撮影にあたって『ソーシャル・ネットワーク』を参考にした」という。理由の一つとして英一(吉沢亮)もザッカーバーグも同じプログラマーであったからと明かす。
さらに茂木は、英一役を演じた吉沢亮について「すごい美形の人で、いい演技をしていましたね」と話すと、山田監督は「撮影中の(イケてない役)のイメージが強すぎていまだにカッコイイ吉沢さんを見るとアレ?って思っちゃいますね」と苦笑。棋士の陸役を演じた若葉竜也についても「すごい存在感がある」と称賛する茂木。山田監督は「彼は指し手の練習のために四六時中駒を触っていましたから。最終的にはプロが見ても、完璧でまったく違和感がない(と太鼓判をもらった)」ほどに上達したことを伝えた。その後も二人の話題はAI将棋と現在の将棋界にまで話が及ぶ。AI将棋の進歩が、棋士の思考にある変化を生じさせたことを、具体的に茂木と共著のある羽生善治九段や藤井聡太二冠の名前を挙げながら二人は語り合う。将棋を巡り人工知能と棋士の関係性について強い関心を持つ二人。さながらトップ棋士同士の対局のような興味が尽きない対談となっている。二人の対談の模様は劇場パンフレットにも収録予定だ。
映画『AWAKE』山田篤宏監督×茂木健一郎対談映像