広瀬すず艶やかな着物姿で学生時代を振り返る！映画『ゆきてかへらぬ』完成披露舞台挨拶

広瀬すず、木戸大聖、岡田将生が出演する大正時代を舞台に、実在した男女3人の壮絶な愛と青春を描いた映画『ゆきてかへらぬ』の完成披露舞台挨拶が1月30日（木）TOHOシネマズ六本木ヒルズで開催された。

本作の脚本は田中陽造が40年以上前に書いたもので、多くの監督たちが映画化を熱望しながら長い間実現することができなかった、いわば「知る人ぞ知る」幻の脚本。「滅多にない優れたシナリオ」とこの脚本に焦がれ続けていた名匠・根岸吉太郎監督が16年ぶりにメガホンをとった話題作！

舞台挨拶で芽の出ない新進女優・長谷川泰子を演じた広瀬すずは艶やかな着物姿で登場！満員の会場で完成報告し「撮影が2年前でオファーをいただいたのは更に前なので、やっとこの日が来たことに感動しています」と笑顔を見せる。監督の根岸は続けて「私はもっともっと長い間この映画と格闘していたので、今日この日を迎えられたことを本当に嬉しく思います」と感慨深げに語る。

広瀬は「田中陽造さんの昔に書かれた脚本を今この時代に生きている私たちがどのような解釈で入っていくのか、ある意味チャレンジでした。セリフの言い回しとか、男女の関係性、距離感すべてが新鮮で、個々に感じたものを大切に演じる現場だったので、貴重だったしビシビシと伝わる熱量が心地よい現場でした」と撮影現場について振り返る。さらに3人が演じたキャラクターの関係性が熾烈だったようで「もう疲れました。体力のいる役で一周回って潔く気持ちのいい役だったけれど、毎日何かを削りながら生きているような役だったので、映画を観ていただければ皆さんに伝わると思います」と吐露した。

天才詩人・中原中也役を演じた木戸は「今も支持されている中原中也を演じるのは相当なプレッシャーだったし、多彩な方でこの前解禁されたローラースケートも僕は全く滑れなかったので苦労しました。泰子との関係はフィジカルなぶつかり合いだったので、プロレスをしているかのようで・・・。根岸監督もカットをかけないので、体力的にも勝負の役でした」と苦労した様子。

文芸評論家・小林秀雄役を演じた岡田将生は役作りのために小林秀雄の資料を色々な角度から読み込んだそうで「文章から色気が溢れていたので、自分が演じるにあたり、ワンカットでもその色気が出たら良いなと思いながら演じていました」と打ち明けると、共演の広瀬と木戸からは「あったよ！」と返事。それに岡田は「ちょっと待って！言わされていないか？」と疑いの目を向ける。

まだ何者でもなかった若者たちの戻れない愛と、青い春を描いた本作。「青春時代にやりたかったこと」をそれぞれ発表するコーナーで岡田は「高校生の頃にはもう芸能界で仕事をしていたので修学旅行ですかね。映画の撮影で行けなくて仕事終わりに友達から毎日『今日はこうだったよ』という電話が来てその時は泣きました（笑）俺は何をしているんだ！同級生と修学旅行に行きたかった。奈良とか」と今になり思うのだという。同じく学生時代から仕事をしていた広瀬も「学校帰りに友達と制服のまま遊びに行きたかったです。制服のまま『授業面倒くさい』と愚痴ったり、ご飯に行ったり、遊園地に行ったりする憧れは当時からありました」としみじみ。一方、木戸は「普通の学生生活を送っていたけれど、ダンスをやっておけば良かったです。リズム感は色々なところで活きて歌を歌うときとか役に立つし。本作のようになにかと踊らないといけない場面が意外と多いので」と回答する。それに対し広瀬は「なにかと多いのはわかる！自分がリズムが合っていると感じても人と違っていて絶望したり」と共感する。岡田も「凄く良くわかるよ。だから僕は歌とダンスはNGですもん」と会場の笑いを誘う。

舞台挨拶の最後に広瀬は「根岸監督が16年ぶりに映画を撮って、その作品が今日初めて皆さんに伝わって胸がいっぱいな気持ちになります。歪んだ愛と青春の物語で、皆さんにどのように伝わるのか不安もありますが、最後まで見届けていただければ嬉しいです。本日はありがとうございました。」と会場に集まったファンに呼び掛け、舞台挨拶を締めくくった。映画『ゆきてかへらぬ』は2月21日（金）より、TOHOシネマズ日比谷ほか全国公開！