人気作家・窪美澄の短編小説を今泉力哉監督が志田彩良主演で映画化した『かそけきサンカヨウ』の公開記念舞台挨拶が10月16日(土)東京・テアトル新宿で開催され、出演者の志田彩良、井浦新、鈴鹿央士、菊池亜希子が登壇。またイベント中に今泉力哉監督 、原作者の窪美澄から登壇者へ手紙が寄せられた。
映画『かそけきサンカヨウ』は高校生の陽(志田彩良)が父の直(井浦新)とふたり暮らしをしていたが、父の再婚によって新たな家族との生活が始まり、新しい環境への戸惑い、成長をする中で同級生の陸(鈴鹿央士)との“恋まではたどり着かないような淡い恋愛感情”を今泉監督が丁寧に映像化。
志田が舞台挨拶で「皆さんの見終わった後の表情を直接受け取れて幸せです」と感想を語りイベントがスタート。続けて今泉監督が急遽登壇取りやめになったことに触れ「自由に話していいと監督からのメッセージだと受け止めて」と微笑んだ。志田が演じた陽は、家事をしっかりこなすまじめな女子高生。志田は「恥ずかしながら洗濯機を一度も自分で回したことがなかった」という正反対だったことを明かし、撮影前に自然な感じになるように「作品のクランクイン前に『私が洗濯もご飯も全部家事やるから任せて』と家族に言って、自分で献立から考えて家族の分も私がしてました」と打ち明けた。
井浦は陽の父親・直を演じるにあたり、今泉監督とやり取りを重ねて「映画音楽を作る仕事をしている役なので、家でどんな生活をしているか、どんな仕事道具を使っているか、洋服の大きさはジャストサイズなのかオーバーサイズなのか、ナイロン系なのかコットンなのか。眼鏡をかけるという話になって、自分の私物の眼鏡も持って行きました」と綿密に打ち合わせを行ったことを明かす。
TBS『ドラゴン桜』で志田と共演し、本作では陽の同級生・陸を演じた鈴鹿は、志田とのエピソードを披露。「映画クランクインの日に控室で寝ていたら写真を撮られて、うさ耳のフィルターを付けられ、ドラゴン桜の同級生役5人に送られていた。『寝てるこの人みたいな(笑)』」と。それを聞いた志田は「広くない控室に背の高い大きい鈴鹿君が占領して寝ていて、初日で井浦さんもいるのに寝ている。なかなか勇敢な男の子だなと。面白かったので可愛くしてあげようと」と語ると、鈴鹿は「事務所の人に怒られて…」と笑いを誘った。
イベント終盤には原作者の窪美澄、イベント欠席になった今泉力哉監督からの手紙が読み上げられ志田は「嬉しいです。グッときました。ありがとうございます」と感謝した。最後の挨拶で志田は映画館に足を運んでくれた来場者に感謝しつつ「ここ数年で世の中変化して心が疲れてしまっている人に、この作品が逃げ場だったり救いになれば」と語り「皆さまの感想とか意見は大切なものなので観た感想を率直にSNSに書いてくれれば」と要望し舞台挨拶を終えた。映画『かそけきサンカヨウ』はテアトル新宿ほか全国で公開中。
映画『かそけきサンカヨウ』
出演:
- 志田彩良
- 井浦新
- 鈴鹿央士
- 中井友望
- 鎌田らい樹
- 遠藤雄斗
- 石川恋
- 鈴木咲
- 古屋隆太
- 芹澤興人
- 海沼未羽
- 鷺坂陽菜
- 和宥
- 辻凪子
- 佐藤凛月
- 菊池亜希子
- 梅沢昌代
- 西田尚美
- 石田ひかり
監督:今泉力哉
主題歌:崎山蒼志「幽けき」(Sony Music Labels)
原作:窪美澄『水やりはいつも深夜だけど』(角川文庫刊)所収「かそけきサンカヨウ」
脚本:澤井香織 今泉力哉
音楽:ゲイリー芦屋
配給:イオンエンターテイメント
©2020 映画「かそけきサンカヨウ」製作委員会
映画『かそけきサンカヨウ』2021年10月15日(金)よりテアトル新宿ほか全国公開中