前原滉・天野はな・奈緒が出演の映画『彼女来来』が「JAPAN CUTS」映画祭で大林賞を受賞!

演劇ユニット「ピンク・リバティ」代表をつとめ、劇作家・演出家としても活躍する山西竜矢が映画監督を務めた映画『彼女来来』が、北米最大の日本映画祭「JAPAN CUTS」のコンペティション部門「Next Generation」部門に選出、さらに大林宣彦監督の名を冠した“大林賞(Obayashi Prize)”を受賞した。

映画『彼女来来』

本作は、若き名バイプレイヤーとして話題作への出演が続く前原滉、ドラマ『あなたの番です』で注目を集め様々な作品で引っ張りだこの女優・奈緒と、ドラマ『そして、ユリコは一人になった』での出演やMV、映画などでも存在感が光る天野はなをメインキャストに起用した、山西竜矢監督のオリジナル脚本による奇妙な“恋愛”映画。

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海を渡り、タイトル『Mari and Mari』として北米最大の日本映画祭「JAPAN CUTS」にノミネートされ、映画祭唯一のコンペティション部門であり、新人監督作品を特集する「Next Generation」部門に選出。映画業界の専門家である審査員たちから最も評価された作品に授与される「大林賞」に、日本映画の新たな才能が集結した作品群の中から『彼女来来』が見事受賞となった。


審査員コメント

山西竜矢監督は、絶妙な視覚と聴覚のデザイン・演出により魅力的で別世界のミステリーのような人間の本質や家庭の不安に対する考察を描いています。本作品では、平凡な環境が不安によって変化するという主人公の感情的な旅を通して、映画表現の可能性を追求しています。『彼女来来』は、日常生活における微妙な人間関係を描くという日本映画の伝統を踏襲しつつ、J ホラーの要素を加えることによって世界を取り巻く現代の不安や不確実性を表現しています。世界の映画史では、人間のファンタジーへの欲求とリアリズムの追求を組み合わせたものを課題としますが、本作はこの課題に巧みに取り組んでいます。

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<原文>

With exquisite visual and auditory design, Tatsuya Yamanishi creates an enticing and otherworldly mystery of human nature and reflection on domestic insecurity. This film explores the possibilities of cinematic expression through the emotional journey taken by its protagonist, with mundane surroundings transformed by apprehension. Mari and Mari follows a tradition in Japanese cinema of portraying subtle human interactions of everyday life, aided by elements of J-horror to express contemporary anxieties and uncertainty looming over the world. The history of world cinema combines human desire for fantasy and a pursuit of realism, and Mari and Mari deftly undertakes this task.


山西竜矢監督 コメント

JAPAN CUTSの Next Generation 部門にて「彼女来来」が大林賞を受賞させていただきました。知らせを聞いて、本当に嬉しく、大変驚いています。撮影が行われた昨2020年は、コロナ禍の始まりの年でした。苦しく、先が見えない不安定な状況の中での制作で、このような賞をいただけることになるとは思いもしませんでした。完成さえできれば。当時はそれしか考えていなかった気がします。言うまでもなく、そんな状況で取り組んだ初めての長編作品で評価を得ることが出来たのは、共に映画を作りあげてくれた、優れたキャスト・スタッフ一人一人の力のおかげです。仲間たちを、心から誇らしく思います。また、本作は、私が個人的に体感した人間社会の仄暗い部分を、物語として映像に落とし込んだものです。大変な時期を励ますポジティブな内容とは言い難い作品ですが、いつかの自分がそうだったように、そのような内容にこそ癒される方、救われる方もいるのではないか。そんな風に信じてやってきたことが一つの形として認めていただけて、大きな励みになりました。今後は、大林監督の名を冠したこの賞の重みを胸に、より真摯に創作に携わってまいります。最後になりましたが、JAPAN CUTSの皆様、審査員の皆様、そしてこの映画に関わってくださった全ての皆様に、深く、心より感謝いたします。本当に有難うございました。

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