髙橋雄祐「稽古場がプリズンと呼ばれて・・・」映画『初めての女』初日舞台挨拶 

俳人・瀧井孝作の私小説『俳人仲間』の一編を映画化した『初めての女』の初日舞台挨拶が6月22日(土)渋谷・ユーロスペースで開催され、出演者の髙橋雄祐、芋生悠、三輪晴香、監督・脚本を務めた小平哲兵が登壇した。

映画『初めての女』初日舞台挨拶
映画『初めての女』初日舞台挨拶

本作は瀧井孝作が晩年に執筆した私小説『俳人仲間』の一編で、様々な人と出会い、青年の成長を描いた『初めての女』を映画化。主人公・瀧井孝作を髙橋雄祐が演じ、まだ何者でもない青年が二人の女性と出会い、そして別れという現実に直面し、深い悲しみと葛藤に包まれる姿を繊細に披露した。共演の芋生悠は孝作が出会う西洋料理屋の玉役、三輪晴香は芸者の菊役を演じ、劇中では自身の特技でもある三味線を披露した。

スポンサーリンク



主演の髙橋は舞台挨拶で「初日をこんなにたくさんの方と迎えることができて本当に嬉しいです」と語り、芋生は「この映画は4年ぐらい前に撮影して、当時私は22歳くらいだったので改めて見ると幼いなって思いました。こうやって長い月日が経ちましたが、公開することができて本当に嬉しいです」と笑顔を見せた。

髙橋雄祐『初めての女』初日舞台挨拶
髙橋雄祐『初めての女』初日舞台挨拶

小平監督は制作のきっかけを岐阜県高山市の文化協会からの依頼だったと語り「1週間くらい現地に寝泊まりして、何を撮りたいか調べ尽くして『初めての女』と出会いました。瀧井孝作が青年期を振り返って、肌に当たる夜風のやわらかさ、月の満ち欠け、恋した人の着物の襦袢の色までつぶさに書いてあったので『なんでこの人は忘れないで書けるのだろう』と思ったことから始まりました」と振り語る。


本作の脚本を読んで髙橋は「一瞬でこの世界に引きずり込まれた感じでした。登場人物がイキイキしていて、表情や心の内が鮮明に浮かんできて、文章の作品として完成していました」と回想し「演じるにあたり脚本を超えるのが絶対条件だと思いました。瀧井さんたちが手の届かないところに自分は辿り着きたいと思いました」と熱く語った。

芋生悠『初めての女』初日舞台挨拶
芋生悠『初めての女』初日舞台挨拶

芋生は「玉は孝作と一緒にいる時間が長くて、笑顔で明るく生命力にあふれている女性ですが、内に抱えているものを人に見せないというのが演じていて難しかったです」と回顧。続けて「撮影前に高山市で1週間みっちりリハーサルをして、苦しかったですがそこで玉を見つけることができました。皆んなで一致団結して作り上げた作品です」と胸を張った。


三輪は本作を振り返り「菊は私が知らない苦しさを背負っていて、脚本を読んだときはわからない部分も多かったのですが、菊が心を開いてくれて自分の中に入ってきてくれました。飛騨高山で撮影していたのですが、菊の見ている景色に思えたときに、心が通じていると思いました」と感慨深げに語った。続けて「孝作に惹かれたのは彼の弱みが見えたときに、菊と似ている部分があり、孝作の句が心を揺さぶったのだと思います」と考察した。

三輪晴香『初めての女』初日舞台挨拶
三輪晴香『初めての女』初日舞台挨拶

印象に残っていることについて聞かれると髙橋は「リハーサルがクランクインするまでの1ヶ月東京でリハーサルして、高山に行ってからも、みっちり現地の空気を感じながらリハーサルをしました。正直かなりきつかったのですが朝から晩まで同じ稽古場でずっとやるんで、『ちょっと息抜きしませんか?』みたいなことを言うんですが、監督がなかなか逃がしてくれない。稽古場が後々プリズンと呼ばれるようになりました」と笑いを誘う。それに小平監督も「はい、プリズンでしたね(笑)」と振り返った。


芋生は「リハーサルもなんですが泊まってる場所がみんな一緒で、私と三輪さんは一緒にお風呂も入りました。撮影が遅く終わって、朝も早かったので、もう一緒に入ろうと。仲良くやってました」と微笑しいエピソードを披露した。映画『初めての女』は6月22日(土)よりユーロスペースほか全国で順次公開される。



スポンサーリンク

映画『初めての女』

出演:髙橋雄祐 芋生悠 三輪晴香

監督・脚本:小平哲兵

脚本:桑江良佳 羽石龍平/プロデューサー:柳井宏輝

原作:瀧井孝作「俳人仲間」(新潮社)/原作協力:小町谷新子

制作協力:ニューシネマワークショップ/助成:こだまーれ2019市民提案プロジェクト

製作:一般社団法人 高山市文化協会

配給:TRYDENT PICTURES

©TRYDENT PICTURES2024

映画『初めての女』は6月22日(土)よりユーロスペースほか全国順次公開

テキストのコピーはできません。
タイトルとURLをコピーしました