映画『ロマンスドール』監督のタナダユキが高橋一生と蒼井優について語る

高橋一生と蒼井優のタッグで話題の映画『ロマンスドール』について、脚本・監督を務めたタナダユキはYouTubeチャンネル「活弁シネマ倶楽部」にて、原作者自らが本作に込めた想いなど、約1時間かけて語った。

2人の共演は、蒼井優が映画デビューとなった『リリイ・シュシュのすべて』以来19年ぶり。互いに恋に落ち、幸せな結婚生活を迎えたはずの2人は、愛するが故に“嘘”と“秘密”を抱え、気づけば平穏な日常は変化していってしまう。2人の男女の関係をリアルに美しく儚く描くのがタナダユキ原作の『ロマンスドール』。


原作の語り手が一人称の“僕”であることについて、その理由を聞かれるとタナダユキ監督は、「この仕事をやるようになって、ドキュメンタリーを撮っても、高校生の男の子の話を撮っても、なにを撮っても“女性監督ならではの”っていう枕詞をつけられる。(それに対して)すごく窮屈な想いをするようになった。それまでは性差っていうものを意識せずに生きてきたけど、もっと自由だと思っていた映画の仕事をやった途端に、“女性監督ならではの” ってつけられる。どうしてそんな大きな括りにするんだろう?って不思議に思っていて、なんかその反発心もどこかに持っていて、じゃあ“僕”っていう一人称で書いてみよう。これでも“女性監督ならではの”って書くかね?っていうのがあって(笑)」と、1人の創作者として男女というフィルターを通さずに映画を評価してほしいという意志が反映されたものだと語った。

キャスティングについても触れ、主演の高橋一生については「(高橋一生は)本当になんでもできてしまう方なんですけど、(『ロマンスドール』の)哲雄って職業はちょっと変わった職業なんですけど、人物は至って普通の人物で。意外と、ど真ん中の普通の人ってあまり見たことがないかもしれないと思って、オファーさせていただいた。」と、 高橋一生でしか描き出せない役柄であったことを理由の一つに挙げた。


さらに、『百万円と苦虫女』以来11年ぶりのタッグとなる蒼井優についても話が広がった。本作の撮影は蒼井優が結婚する以前で「撮影中はお付き合いもされてなかった。だから(高橋一生と)3人で“私達結婚は無理だよね”って話した記憶があるんですけど、いち早くお嫁にいかれてしまった(笑)」というエピソードを明かしてスタジオを笑わせた。


加えて、劇中でひろ子役を務めた三浦透子が薬師丸ひろ子の『ステキな恋の忘れ方』を歌っているシーンについて「(最終的には)切ったんですけど、“ひろ子”っていう名前はお母さんが薬師丸ひろ子の大ファンで、すごく安易に名前をつけられたんだっていう設定だった(笑)」と笑い混じりに秘蔵エピソードを明かした。また、タナダユキ監督が三浦透子とは過去に数回仕事をしており、絶賛する姿を見たMCの映画評論家・森直人が「いつか三浦透子さん主演で映画を撮りますね(笑)」と予言されると「撮りますね」と肯定するほど、その才能を認めていた。


動画内では、タナダユキ監督が「最初から決まっていた」と語るラストシーンについてや、一方で、脚本からも変更して、悩み抜いたという終盤のたたみかけるような演出についてなど、『ロマンスドール』の内容を掘り下げて語っている。また、自身の今後の展望などについて触れ、映画界を牽引していく、タナダユキについて深く知ることができる内容となっている。


高橋一生×蒼井優!映画『ロマンスドール』タナダユキ監督が語る!! 活弁シネマ倶楽部#69


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映画『ロマンスドール』

INTRODUCTION

一目で恋に落ちて結婚した妻との日々を描き、”ラブドール職人”という型破りな設定とセンセーショナルな展開に多くの話題と共感を呼んだ、タナダユキの小説「ロマンスドール」。2008年に雑誌「ダ・ヴィンチ」で連載開始から10年、原作者自らが脚本・監督を手掛け、映画化。主演を務めるのは、TBSドラマ「凪のお暇」での好演も話題の高橋一生。美大卒業後にフリーター生活をしていたところ、ひょんなことからラブドール制作工場で働き始め、次第にその魅力にのめり込んでいく主人公・北村哲雄を演じる。哲雄の妻・園子を演じるのは、『リリィ・シュシュのすべて』(01)で高橋と18年ぶりに共演を果たす、蒼井優。『百万円と苦虫女』(08)以来、映画としては11年ぶりのタナダ組参加となる蒼井は、優しさの中に強さをもった、芯のある大人の女性を繊細に演じる。さらに二人をとりまく共演陣に、浜野謙太、三浦透子、大倉孝二、渡辺えり、きたろうら個性豊かな実力派俳優陣が集結した。

STORY

10年の、嘘と秘密と、ほんとの愛。
変わりゆく男女の感情をリアルに映し出す、美しく儚い、大人のラブストーリー
美人で気立てのいい園子に一目惚れして結婚した哲雄が、彼女にずっと隠し続けている仕事、それはラブドール職人としてドールを作っていること。平穏に過ぎていく日常の中、哲雄は仕事にのめり込み、恋焦がれて結婚したはずの園子とは次第にセックスレスになっていた。いよいよ夫婦の危機かと思ったとき、園子はぽつりと胸の中に抱えていた秘密を打ち明けた。

原作・脚本・監督:タナダユキとは

01年脚本・出演も兼ねた初監督作品『モル』で第23回PFFアワードグランプリ及びブリリアント賞を受賞。2004年劇映画『月とチェリー』が英国映画協会の「21世紀の称賛に値する日本映画10本」に選出された。2008年脚本・監督を務めた『百万円と苦虫女』で日本映画監督協会新人賞を受賞し、その後も映画『俺たちに明日はないッス』(08)、『ふがいない僕は空を見た』(12)、『四十九日のレシピ』(13)、『ロマンス』(15)、『お父さんと伊藤さん』(16)や、TVドラマ「蒼井優×4つの嘘 カムフラージュ」(08/WOWOW)、「週刊真木よう子」(08/テレビ東京)、「昭和元禄落語心中」(18/NHK 総合)、配信ドラマ「東京女子図鑑」(16/Amazonプライム・ビデオ)、「夫のちんぽが入らない」(19/Netflix)など数々の話題作を世に放ってきた。またTVCM第一三共ヘルスケア「ミノン」洗浄シリーズ の演出や、高橋一生が出演した資生堂ショートムービー“スノービューティー ホワイトニング フェースパウダー2017”ショートムービー『Laundry Snow』の脚本・演出もつとめている。

脚本・監督:タナダユキ

原作:タナダユキ「ロマンスドール」(角川文庫刊)

出演:

  • 高橋一生
  • 蒼井優
  • 浜野謙太
  • 三浦透子
  • 大倉孝二
  • ピエール瀧
  • 渡辺えり
  • きたろう

配給:KADOKAWA

© 2019「ロマンスドール」製作委員会


映画『ロマンスドール』2020年1月24日(金)より全国ロードショー

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